インターネット回線を使用した電話サービスであるIP電話は、企業でも導入されることが増えています。その理由は、やはり通信コストをできるだけ抑えたいからだと言えます。IP電話は、多くのプロバイダがサービスを提供していて、同じプロバイダ間でのIP電話同士の通話は無料となるのが大きなメリットとなります。本社や支社や営業所などのすべてのオフィスでIP電話を導入すれば、距離に関係なく、無料通話ができるようになるのです。また、固定電話とは異なり、日本全国どこにかけても、一律料金となっている点も見逃せません。固定電話のような基本料金もありませんので、以上のことを踏まえると、通信コストが削減できるのも頷けます。現在、企業のオフィスでは、パソコンは当たり前のように設置され、ほぼインターネットに接続された環境で利用されています。オフィスを新設する場合、パソコン用のインターネット回線だけで済み、従来のような固定電話回線を引く必要がない面もメリットとなります。IP電話ではテレビ電話のように動画の通話も行えますので、用途によってはメリットとなります。ただし、IP電話は安くて利便性が高いサービスであると手放しでは喜べません。インターネット回線はベストエフォート型サービスと呼ばれる回線速度が保証されたサービスではないのです。そのため、他のネットワークアクセスにとても影響を受けやすく、その結果、音声が途切れたり等の通話品質が劣化する可能性があります。固定電話からIP電話に切り替えた直後のクレームとして、通話品質に関するものが圧倒的に多いので、通話品質の劣化の可能性について、周知が必要になるかもしれません。また、インターネット回線の障害が発生すると、通話ができない事態となりますので、そのような事態に対する対処も考慮が必要です。